借金の回収方法3

前回、前々回と借金の回収方法として、訴訟提起から差し押さえまでの話をしましたが、今回はそれでもお金の回収ができなかった場合の話です。

 
預金や給与などを差押えようとしても、口座が無かったり、残高不足で回収ができなかったり、すでに退職してしまっていたような場合、その差し押さえ自体は失敗に終わってしまいますが、その代わりに新たな手続きに進むことができます。
それが財産開示手続きです。
 
財産開示手続きとは、裁判所の命令によって、債務者を裁判所に呼び出し、そこで自分の財産を陳述させるという手続きです。
裁判所からの財産開示手続きの呼び出しに応じず、または財産開示手続きで嘘を付くなどした場合は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるという、かなり厳しい手続きになります。
この手続に債務者がきちんと応じてくれれば、債務者名義の預金口座がどこにあるか、債務者がどこで働いているかなど、債務者の財産をすべて把握することが出来ることになります。それが分かれば、再度預金口座や給与の差し押さえを行い、回収を図ることができるかもしれません。
 
しかし、債務者が開き直ってしまったような場合、財産開示手続きに債務者が出頭しないこともあります。
そのようなときは、上記の刑事罰を科してもらうため、警察に違反の事実を通告し、捜査してもらうことになります。これまで数件通告をしていますが、比較的スムーズに警察が動いてくれる印象です。
  
さらに、財産開示手続きをしても債権の十分な回収ができなかったときは、さらに手続きを進めることができ、銀行や法務局、市区町村に対して、債務者の口座情報や不動産の情報、勤務先情報などの提供を受けることもできます。
これによって、財産開示手続きで発見できなかったり、隠されていた財産を発見することができるかもしれません。
 
このように色々な手続きがあるものの、手続きを進めれば進めるほど弁護士費用も裁判所に納付する費用もかさんでしまいます。場合によっては、費用をかけて手続きを進めても回収が見込めない事案もあるため、回収の可能性も考慮して、どこまで手続きを進めるべきかはよく検討する必要があります。

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