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男女問題

離婚の際に決めるべきこと

男女問題    いざ離婚することになった時,どのようなことを夫婦間で決めておけば良いのか,ということをここで簡単にご説明致します。
 離婚の際,夫婦間で決めておくべきことは,大きく分けて @財産分与 A親権,養育費 B慰謝料 C年金分割 の4つです。

 @財産分与
 財産分与とは,結婚中に夫婦で協力して作った財産を精算することをいいます。
 対象となる財産は,夫婦共有の財産である,結婚後に貯めた貯金や,購入した不動産などです。
 夫婦のどちらかが結婚前から持っていた不動産や貯金は財産分与の対象にはなりませんし,結婚後でも相続によって取得した財産も,財産分与の対象にはなりません。
 ほとんどの場合には,夫婦の取り分は半々とされますが,双方の寄与の度合いによって,その割合が変わることもあります。
 
 A親権・養育費
 親権者とは,子の監護・養育を行う者のことです。
 親権者について争いがあるときは,これまでの子の養育状況や,今後の養育能力,経済状況などから,夫婦のどちらが子どもの親権者として適任か,という観点から決めることになります。
 もちろん母親の方が有利になることは多いですが,事情によっては,父親が親権者になることも充分に可能です。

 養育費については,夫婦双方の収入,子供の人数・年齢等を基準にして具体的な金額を決めます。例えば,父親の年収300万円,母親の年収100万円,10歳と9歳の子が二人いて,二人とも母親が親権者となった場合の養育費の金額は,だいたい3万円から4万円程度となります。

 B慰謝料
 夫婦の一方が浮気をしたり,相手に暴力を振るったことが原因となって離婚に至った場合には,相手に体して慰謝料が請求できます。
 ただし,相手が自発的に慰謝料を払わない場合には,裁判によって慰謝料を請求することになりますが,その場合には,浮気や暴力の証拠が必要になります。
 最近では,携帯電話のメール画面を写真に撮ったものを証拠として出す,ということが多く,非常に重要な証拠となることもあります。また,暴力については,怪我の診断書や,暴行を受けた直後に撮った写真なども,重要な証拠になります。
 詳しくは,下記「証拠収集」をご覧下さい。
 C年金分割
 婚姻期間中に夫の扶養家族として厚生年金を支払っていた妻が,離婚してしまうと厚生年金を受けられなくなってしまうとすると,あまりに不公平になってしまいます。
 そこで,離婚後でも,扶養家族として支払っていた分の厚生年金の受給ができるようになりました。
 年金分割をする際は,まず最寄りの社会保険事務所に対して「年金分割のための情報通知書」の交付を求めます。話し合いで年金分割ができる場合には,二人で年金事務所に行って手続をするか,年金分割についての合意を公正証書等にする必要があります。話し合いで解決できない場合には,家庭裁判所に調停を提起し,その際に「年金分割のための情報通知書」を裁判所に提出します。
 

離婚の手続

 離婚をするにあたり「協議離婚をした」とか「調停をした」などという話を聞きますが,ここでは離婚をするのにどのような方法があるのかをご説明します。
 離婚の手続としては,大きく分けて @協議離婚 A調停離婚 B裁判離婚 の3つがあります。

 @協議離婚
 協議離婚とは,夫婦の話し合いによって,離婚をすることをいいます。
 裁判所を通すことがなく,最も簡単な方法の離婚と言えます。
 ただ,協議離婚をする場合に気をつけるべきことは,離婚の際に慰謝料や養育費の支払いの約束をしたにもかかわらず,それがきちんと支払われないことが非常に多い,ということです。
 養育費の支払いの約束があったり,慰謝料を分割で支払う約束をしているような場合には,公証人役場で公正証書を作成することをおすすめします。
 公正証書があれば,裁判を経ることなく相手の給与や財産を差し押さえることができ,回収が容易になります。

 A調停離婚
 調停離婚は,家庭裁判所で調停を行い,そこで離婚の合意がまとまった場合に作成される調停調書に基づいてする離婚です。
 調停の手続は,裁判所が間に入った話し合いのような手続です。調停委員(男女1人ずつの2人組)が間に入り,当事者は直接顔を合わせることなく,伝言ゲームの様な形でお互いの言い分を述べ,話をまとめる手続です。
 調停は,あくまで話し合いなので,弁護士をつけずに自分で行うことも十分可能ですが,あくまで法律を前提とした話し合いですので,弁護士を代理人にした方がスムーズに手続を勧めることができると思います。

 B裁判離婚
 裁判離婚は,調停で双方合意ができない場合に,家庭裁判所に訴訟を提起し,そこでなされた判決に基づいてする離婚をいいます。
 離婚の裁判も,通常の裁判と同じように,厳格な手続の中で,自分の意見を主張し,証拠に基づいて立証活動をしないといけません。そのため,本当はこちらに有利な事情があっても,立証活動に失敗し,それをうまく裁判所に伝えられなければ,敗訴してしまう可能性もあります。
 裁判になってしまった場合には,実際に依頼するかどうかは別にしても,一度は弁護士に相談することをおすすめします。

内縁,婚約関係

@内縁
 内縁とは,婚姻届を提出していないが,夫婦と同様の生活をしている関係をいいます。
 同じ家に住み,生計を同一にし,その生活を何年も続けているような場合には,おそらく内縁関係が認められるでしょう。
 内縁関係も,婚姻届を提出していないだけで,実質的には婚姻関係と同視できますので,婚姻関係に準じた法的な保護を受けることができます。そのため,内縁関係を不当に破棄した場合には,慰謝料が発生しますし,内縁解消のときには財産分与を請求できる場合もあります。
 しかし,あくまで法的な婚姻関係にはないため,内縁の夫が亡くなったとしても,内縁の妻は相続人にはなれませんし,内縁の夫婦の間に子が生まれたとしても,内縁の夫が認知しなければ子との親子関係も発生しません。
 このように,内縁関係は,法律婚に比べて法的に不安定ながらも,一定の法的な保護を受けることができます。

A婚約
 婚約とは,結婚することを約束した関係,婚姻予約の関係をいいます。
 婚姻の予約は,理論上は当事者間で口約束をした時点で成立します。しかし,もし婚約の不当破棄などで慰謝料を請求するとなると,当事者の間に婚約があったということを裁判所に分からせるため,ある程度の客観的な証拠が必要になります。証拠がないと婚約が成立しないということではありません。
 具体的には,婚約指輪を購入したり,実家に婚約の挨拶に行ったり,結婚式の予約をしたり,という事実があれば,婚約関係があったと認められやすいでしょう。
 婚約も,婚姻の予約である以上,これを不当に破棄した場合には,損害賠償が発生します。

不倫

  夫婦の一方が不倫したことが原因となって離婚した場合はもちろん,離婚しない場合であっても,不倫をした夫婦の一方と浮気相手に対して,損害賠償の請求はできます。
 以下,夫が浮気した場合を例に出して説明します。

  そもそも,なぜ不倫をしたことで慰謝料が発生するかというと,夫婦には,相互に貞操を守る義務(貞操義務)を負っています。
 夫が浮気した場合,夫と浮気相手が共同して貞操義務に反したということになり,夫と浮気相手が共同不法行為者として,連帯責任を負うことになるのです。
 そのため,浮気相手だけを相手取って,慰謝料の請求をすることもできます。ただし,夫と浮気相手とは連帯して責任を負っていますので,浮気相手だけに損害賠償を請求し,浮気相手がその金額を全額支払ったとしても,その後に浮気相手から夫に対して求償の請求がされる場合があります。

  慰謝料金額については相場はありません。個別の具体的な事案をもとに,過去の裁判例を参考にして妥当な金額を決めていきます。
 慰謝料額の判断材料としては,婚姻期間の長短,離婚に至ったか否か,当時の婚姻の状態,不倫の期間,不倫相手の妊娠の有無,不倫による病気罹患の有無等があります。これらの事由を総合考慮して,慰謝料額を算定します。
 

証拠収集

 離婚の裁判や調停をする場合はもちろん,そこまで至らない場合にも,証拠を集めておくことは,話合い・交渉を有利に進めるために重要になります。
 不倫等の事件において,最近最も重要かつ多く裁判で現れるのは,携帯電話のメールでしょう。
 自分の携帯に入ったメールはもちろん,相手の携帯の中の不倫相手とのやりとりのメールも証拠として提出されることもあります。
 不倫相手とのメールは,非常に重要な証拠になりますが,勝手に他人の携帯電話を見ることはプライバシー権の侵害として,逆に慰謝料の請求をされる可能性もあります。
 ただ,慰謝料の金額はさほど高額にはならないと思われますし,たとえ勝手にメールの写真を撮ったとしても,民事裁判の証拠として使用することはできます。

 配偶者の暴力があった事件では,怪我の写真や診断書が非常に重要です。
 暴力を振るわれたとしても,写真も診断書も無いということでは,裁判所に証明することは困難です。怪我は放っておくと治癒してしまい,証拠が残りませんので,早急に怪我の写真を撮り,病院に行って診断書をもらった方が良いでしょう。
 精神的な虐待については,直接的な暴力よりも,証明することが難しいといえます。もしもそれで精神的に不安定になり,病気になってしまった場合には,病院で診断書をもらいましょう。
 精神的なことで病院に行くというのは,ためらわれる方も多いと思います。しかし精神的な病気は外傷と異なり,客観的に分かりづらいものです。そのため,診断書は数少ない客観的な証拠として非常に重要といえるでしょう。

 夫婦間で問題が起こった当時に作成された日記等も,証拠としての価値があります。できる限り詳細に,どのような事があったのかを記載しておけば,後に重要な証拠となるかもしれません。日記を書くときは,パソコン等で作るよりもできれば手書きの方が良いと思います。