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刑事事件

刑事事件全般

刑事事件  刑事裁判とは,国家が主体となり,犯罪を犯したものに対して刑罰を科すか否か,ということを審理する裁判です。
そのため,一般市民は,告訴などによって刑事裁判をするように促すことはできますが,自分で刑事裁判を起こす,ということはできません。
 刑事裁判を求めることを「起訴」といいますが,これは検察官だけができるとされています。
 
刑事事件では,通常,裁判になる前に逮捕などの身柄拘束が先行します。逮捕されると,逮捕の時から72時間以内に,10日間の身柄拘束(勾留)をするか否かが決定されます。
 勾留がされた場合,その10日の間に捜査をすすめ,起訴するかどうかを判断します。10日で捜査が終わらなかった場合には,さらに10日間の勾留延長がされます。勾留されたままで起訴されると,そのまま勾留が延び,身柄拘束が続きます。
 起訴から1ヶ月半から2ヶ月後くらいに,裁判が開かれます。被告人が罪を認めている場合には,通常その1回で裁判は終わり,翌週には判決が言い渡されます。
 
 身柄が拘束されている方とは,警察署等で接見できます。一般の方の接見は,各警察署等によって異なる事もありますが,一般的には午前9時半から11時半,午後1時から4時半までとなっています。ただし,弁護士であれば,それ以外の時間であっても面会が可能です。

身柄の解放

 刑事事件においては,一般的には上記のように身柄が拘束されたままで手続が進みます。しかし,この手続の中で,裁判に至る前に身柄を解放する方法があります。それが「勾留に対する準抗告」「勾留取消請求」「勾留の執行停止」「保釈」の各手続です。
(1)勾留に対する準抗告
 勾留の決定に対して不服を申し立てるもので,本来勾留すべきでないのに勾留した,として,勾留の決定をした裁判官以外の裁判官に,勾留の当否を判断させる手続です。
 これは,勾留の決定がされたときの事情をもとに,勾留が妥当かどうかを判断するもののため,勾留の決定が覆ることは難しいといえます。
(2)勾留取消請求
 勾留の決定の後の事情の変化などによって,勾留の必要性が無くなったので,勾留を取り消して欲しい,という請求です。勾留がされた後に被害者との示談が成立したにも関わらず,検察が身柄を解放しないような場合に使われます。
 これは,勾留の決定の後に生じた事由を理由にできますので,その内容によっては,認められることもあります。ただし,勾留に対する準抗告も勾留の取消も,滅多に認められるものではありません。
(3)勾留の執行停止
 勾留中に急な病気になり入院の必要が出た場合や,親族が急死して葬儀に出る必要がある場合などに,一時的に身柄を解放するものです。
 執行を停止する必要がある事由がある場合には,認められますが,かなり限定的な理由に限られているため,あまり見かけることはありません。
(4)保釈
 保釈金を納めることで,逃亡を防ぎ,身柄を解放するものです。ニュースなどでも良く言葉だと思いますが,これは起訴されて裁判になった後にしか使うことができない制度です。
 保釈は,逃亡を防ぐための担保として保釈金を納めているため,上記準抗告や勾留取消に比べて認められやすいといえます。しかし,事案の内容によっては,保釈が認められない場合もありますので,弁護士としても,保釈が必要な理由を裏付ける証拠を収集したり,担当の裁判官と面談を行い,直接保釈の必要性等について説明するなどの努力が必要になることもあります。

告訴

 告訴とは,被害者等が警察等に対して犯罪の被害に遭ったことを申告し,犯人の処罰を求めることをいいます。
   前に述べたとおり,刑事裁判を起こすことは検察官にしかできませんが,刑事裁判にしてもらえるよう捜査・起訴を促すことはできます。それが告訴です。
 被害届も,告訴と同じように,警察等に対して犯罪の被害に遭ったことを伝えるものです。しかし,被害届を出すだけでは,捜査機関に具体的な義務は生じませんが,告訴が受理されれば,捜査機関は告訴人に対して起訴したか不起訴に終わったかの報告を,理由を付けてする義務が生じます。そのため,捜査機関の充分な対応を求めるのであれば,被害届よりも告訴を行った方が良いといえます。
 また,強姦や強制わいせつ,器物損壊などのように,被害者が告訴しないと犯罪にならないものもあり,これらの犯罪を「親告罪」といいます。
 
ただ,告訴といっても,客観的な証拠がない事件では,犯罪として成立しているかの判断ができず,告訴状が受理されないことがあります。最終的に証拠を集めるのは警察等の捜査機関ですが,告訴するに必要な最低限の客観的な証拠は用意しておいたほうがよいでしょう。
 告訴にも時効があります。器物損壊などの親告罪では,犯人を知ったときから6ヶ月を経過すると,告訴できなくなります。ただし,親告罪でも,性犯罪には時効が無く,6ヶ月経過後でも告訴することは可能ですが,時間が経過すると証拠が散逸し,記憶も曖昧になってきますので,告訴するならば早いほうが良いでしょう。

被害者参加・損害賠償命令

 今まで被害者は刑事裁判にとって最も重要な利害関係を有するものであるにもかかわらず,せいぜい証人として法廷に立つ程度であって,意見を述べたり,被告人に質問したり,というように,積極的に刑事裁判に参加することができませんでした。
 そこで,平成20年12月から,被害者が刑事裁判に積極的に参加できるようになりました。ただ,参加できる裁判には制限があり,故意の犯罪行為によって人を死傷させたものや,強制わいせつや自動車運転過失致死傷等の犯罪に限られています。
 参加した被害者は,法廷の柵の中に入り,検察官の隣に着席します。被告人に姿を見られたくない場合には,遮蔽措置がとられることもあります。そして,証人に尋問をし,被告人に質問をすることができ,さらには裁判に対する意見を述べることもできます。

 今までは刑事事件によって受けた損害であっても,刑事裁判とは別途民事裁判を提起して,損害賠償請求をしないと行けませんでした。そこで,こちらも平成20年12月から,刑事事件によって受けた損害の賠償を容易に受けられるように,刑事裁判に引き続き,そのまま損害賠償の裁判を行うことができるようになりました。わざわざ民事裁判を起こす必要が無く,刑事事件の裁判所に申立をすれば,刑事裁判が終わり次第,そのまま損害賠償の審理に移ってくれます。
 ただ,損害賠償命令の対象事件も限られており,自動車運転過失致死傷は除外されています。これは,損害賠償命令は簡易な解決を目標に作られた制度であるため,原則4回以内で審理を終えるとされているところ,自動車運転過失致死傷は過失について争いがある場合が多く,損害賠償命令の審理になじまない,というのが理由です。通常の刑事事件であれば,過失について争いがあるものが少ないため,早急に審理が終わると思われます。